01この記事でできるようになること
未経験からWebマーケターを目指すとき、どの職種から実務経験を積み始めると案件や仕事を得やすいかで迷う人は多くいます。この記事では、実務経験を積みやすい職種に共通する条件と、取り組む順番を整理します。
厳密な期間を保証する記事ではありません。「最短◯か月」という約束はできず、あくまで実務経験を積みやすくするための条件と、条件に当てはまる職種の選び方を示すものです。
この記事で扱うのは職種の選び方と取り組む順番です。SEOや広告運用の具体的な操作手順そのものは扱わず、実務特化の情報源で個別に確認してください。
02前提(対象読者・必要な準備)
対象は、Webマーケターを未経験から目指し始めた人、またはすでに学習を始めている人です。副業・転職・独立のどの進路を目指す場合でも、実務経験の積み方という視点は共通して使えます。進路そのものの選び方は『Webマーケターになる3つの進路、副業・転職・独立をどう選ぶか』で扱っています。
準備として必要なのは、SEO・広告運用・コンテンツ制作といった主要領域の基礎知識をある程度押さえていることです。基礎知識の積み方は『Webマーケター1年目、学習と実務を並走させる年間ロードマップ』で扱っています。基礎の段階を終えていない場合は、そちらを先に確認してください。
03手順1:実務経験を積みやすい職種の条件を理解する
最初の手順は、個別の職種名を探す前に、実務経験を積みやすい職種に共通する条件を理解することです。条件を先に知っておくと、求人票や案件情報を見たときに、実務経験を積みやすいかどうかを自分で判断できるようになります。
条件①は、成果物の単位が小さく完結することです。1つの作業が数日から数週間で完結し、成果物として形に残る職種は、実務経験として説明しやすくなります。
条件②は、未経験者でも任される補助タスクが存在することです。戦略立案や予算管理といった判断業務の前段階に、データ収集や構成案作成といった補助タスクが用意されている職種は、未経験からでも入りやすくなります。
条件③は、案件や求人の母数が多いことです。母数が多い職種は、未経験者を受け入れる案件や求人自体も相対的に多くなりやすく、最初の機会を得やすくなります。条件④は、学んだ基礎知識をすぐに実務へ転用できることです。学習した内容と実務のタスクの間の距離が近いほど、学習から実務への移行がスムーズになります。
04手順2:条件に当てはまる職種を洗い出す
4つの条件を踏まえて、実務経験を積みやすい職種の傾向を洗い出します。ここで挙げるのは職種の傾向であり、特定の求人や案件を保証するものではありません。
広告運用の補助業務は、レポーティングや入稿作業といった小さな単位のタスクが多く、成果物が数字として残りやすい傾向があります。SEOの補助業務は、競合サイトの調査や記事構成案の作成など、比較的小さな単位で完結するタスクから始めやすい傾向があります。コンテンツ制作の補助業務は、執筆や編集の一部を任される形で実務に触れやすい職種です。
一方で、マーケティング戦略の立案やチーム全体のディレクションといった判断業務が中心の職種は、未経験からいきなり任されることが少ない傾向にあります。そのため、実務経験を積む入口としては選びにくいといえます。これらの職種は、補助タスクの経験を積んだ後に目指す職種として位置づけるほうが現実的です。
Webマーケターの実務スキルがどんな領域に分かれるかは『Webマーケターの実務スキル全体マップ、SEO・広告・分析・AI』で整理しています。職種選びに迷ったら、まず全体像を確認してから、自分が着手しやすい補助タスクを探すとよいでしょう。
領域ごとに、未経験者でも任されやすい補助タスクの具体例を整理しました。求人票や案件情報を見るとき、これらに近い業務が含まれているかを確認する材料にしてください。
| 領域 | 補助タスクの具体例 |
|---|---|
| 広告運用 | 入稿作業のアシスト、レポート用の数値集計、クリエイティブの差し替え依頼対応 |
| SEO | 競合サイトの調査、記事構成案の作成、既存記事の見出し・メタ情報のチェック |
| コンテンツ制作 | 執筆の下調べ、初稿の執筆、編集・校正の一部 |
| データ分析 | アクセス解析ツールのデータ抽出、レポート用グラフの作成、定例レポートの下書き |
| SNS運用 | 投稿文の下書き作成、投稿スケジュールの管理、簡単な反応集計 |
同じ「補助タスク」という言葉でも、任される範囲は求人や案件によって幅があります。上の表はあくまで傾向の例であり、実際の業務範囲は応募先ごとに確認してください。
自社のカリキュラムでは、規定の成績を収めた受講生に対し、弊社または提携先からの実務発注を行う制度を用意しています(出典: WEBMARKS社内実績データ)。成果や収入を保証する制度ではありません。補助タスクから実績を作るという考え方そのものは、こうした制度の有無にかかわらず独学でも応用できます。
05手順3:補助タスクを、実績として説明できる成果物に変換する
補助タスクをこなすだけでは、実務経験として説明しにくいままになってしまうことがあります。手順3では、補助タスクを実績として言語化する作業を扱います。
補助タスクに取り組む際は、何を目的に、どんな作業をして、どんな結果になったかを、自分の言葉でまとめておくことが重要です。数字が出る作業であれば、施策前後の数字を記録しておくと、後から実績として説明しやすくなります。
フィードバックをもらえる環境がある場合は、成果物に対する感想や改善点を積極的に聞きに行くことも有効です。第三者からの評価は、自分では気づきにくい実績の見せ方の改善につながります。
複数の補助タスクをこなした場合は、それぞれを個別に語るのではなく、共通するテーマや学びをまとめておくと、次の案件や選考で説明しやすくなります。
言語化に迷う場合は、Before(作業をこなしただけの書き方)からAfter(目的・作業内容・結果の3点を入れた書き方)への変換を試してください。次の例はいずれも架空の例です。
【Before・架空の例】競合サイトのSEO調査を担当しました。
【After・架空の例】検索順位が伸び悩んでいた記事について、上位10サイトの見出し構成と文字数を調査しました(目的・作業内容)。調査結果をもとに構成案を修正した結果、担当講師からのフィードバックで抜け漏れていた検索意図を3点指摘してもらえました(結果)。
【Before・架空の例】広告レポートの数値集計を手伝いました。
【After・架空の例】週次の広告レポートのうち、クリック率とコンバージョン率の集計を担当しました(目的・作業内容)。集計を通じて、曜日によって数値が大きく変動する傾向に気づき、担当者への共有につなげました(結果)。
Beforeの書き方は、作業内容が読み手に伝わりにくく、実績として説明する材料になりにくい傾向があります。Afterのように目的・作業内容・結果を分けて書くと、同じ作業でも実績として説明しやすくなります。
06手順4:経験を積んだら、判断が求められる職種へ広げる
補助タスクを通じて実績と呼べる成果物がいくつか手元にできたら、次は判断業務が含まれる職種へと範囲を広げる段階です。SEOであれば施策の提案そのもの、広告運用であれば予算配分の判断など、任される業務の幅が徐々に広がっていきます。
この段階に進むペースは人によって差があります。補助タスクの経験がどれだけ言語化できているか、案件や求人にどれだけ応募し続けているかによって、次の職種へ広がるタイミングは変わります。
職種の向き不向きを踏まえたうえでの選び方は『SEO・広告・コンテンツ、Webマーケター職種別の向き不向きの見極め方』で扱っています。実務経験を積みやすい職種から始めたうえで、自分の向き不向きと照らし合わせながら次の職種を選んでいくとよいでしょう。
07つまずきポイント(失敗例つき)
いきなり戦略立案やディレクション中心の求人・案件を狙い、書類選考や提案の段階で止まってしまうケースがあります。実務経験がまだ無い段階では、判断業務よりも補助タスクから実績を作るほうが、次につながりやすくなります。
補助タスクを数多くこなしていても、成果物として言語化しないまま次の案件に進んでしまい、選考や商談の場で実績として説明できないケースもあります。作業をこなすことと、実績として説明できる状態にすることは別の作業です。
複数の職種の補助タスクに同時に手を広げすぎて、どれも中途半端な状態で終わってしまうケースも見られます。最初は1つか2つの職種に絞り、成果物を1つ完成させることを優先したほうが、次の段階へ進みやすくなります。
08完了の確認方法(できたかどうかの判断基準)
- 実務経験を積みやすい職種の4条件(成果物の完結しやすさ・補助タスクの有無・案件の母数・学習内容の転用しやすさ)を説明できる
- 自分が最初に取り組む補助タスクの職種を、少なくとも1つ決めている
- 補助タスクの成果物を、目的・作業内容・結果の3点で言語化できる
- 補助タスクの経験について、第三者からフィードバックをもらったことがある
- 次に目指す判断業務中心の職種を、大まかにイメージできている
すべての基準を一度に満たす必要はありません。まずは最初の補助タスクに着手し、1つの成果物を完成させることを優先してください。
09FAQ
未経験からでも実務経験を積める職種はありますか
あります。成果物が小さく完結し、未経験者でも任される補助タスクが存在する職種であれば、未経験からでも実務経験を積み始めやすくなります。
最短何か月で実務経験を積めますか
進むペースには個人差があり、断定することはできません。この記事で示した条件と順番は、あくまで職種を選ぶ目安として使ってください。
補助タスクだけでは実績になりませんか
補助タスクそのものも実績になりますが、こなしただけでは説明材料になりにくい場合があります。目的・作業内容・結果を自分の言葉で言語化しておくことで、実績として説明しやすくなります。
複数の職種を同時に目指すのは非効率ですか
最初から複数の職種に手を広げると、どれも中途半端になりやすい傾向があります。まず1つの職種で成果物を完成させてから、次の職種に広げる進め方のほうが現実的です。
判断業務が中心の職種は未経験から狙えませんか
狙うこと自体は可能ですが、実務経験が無い段階では選考や提案の段階で止まりやすい傾向があります。補助タスクから実績を積んだうえで目指すほうが、現実的な進め方です。
独学でもこの職種選びの考え方は使えますか
使えます。補助タスクを自分で探しに行く必要はありますが、条件に当てはまる職種を選び、成果物を言語化していくという考え方そのものは、独学でもスクール型学習でも共通して使えます。
副業・転職・独立、どの進路でもこの考え方は共通しますか
大枠の考え方は共通しますが、補助タスクの探し方は進路によって異なります。副業ならクラウドソーシングや知人紹介、転職なら入社後の初期業務、独立なら小さな受注案件が入口になりやすい傾向があります。
補助タスクの案件は、どこで探せばよいですか
クラウドソーシングサービスや知人からの紹介、学習コミュニティ内での募集など、探し方は複数あります。進路によって適した探し方も変わるため、副業・転職・独立それぞれの実務ロードマップで個別に確認してください。