01この記事でできるようになること

オンライン面接で、対面の面接より伝わりにくい情報が何かを理解し、話し方や資料の見せ方の工夫で補えるようになります。この記事では、特定の会議ツールの機能や設定手順は扱いません。

面接全体で聞かれる質問への回答の組み立て方は『Webマーケター転職の面接、聞かれる質問への回答の組み立て方』で扱っています。この記事は、そのうちオンラインという形式ならではの伝わり方の違いに絞って掘り下げます。

02前提(対象読者・必要な準備)

対象読者は、Webマーケター転職の選考でオンライン面接を控えており、対面との違いを踏まえて準備したい人です。転職準備全体の流れをまだ確認していない場合は、先に『未経験からWebマーケターへ転職する準備、何をどの順で揃えるか』に目を通しておくと、この記事の位置づけがつかみやすくなります。

準備するものは3つあります。安定した通信環境、静かに話せる場所、そして画面越しでも見せられる形にしたポートフォリオや資料です。ポートフォリオの作り方は『施策の根拠をどう見せるか、Webマーケター転職のポートフォリオ術』で扱っています。

本メディアを運営するWEBMARKSでは、個別面談や質問会の多くをオンラインで実施しています。オンラインでのやり取り自体に慣れておくことも、対策の一つになります。

企業が面接で何を評価するかという基本的な考え方は、対面でもオンラインでも変わりません。厚生労働省が公正な採用選考の考え方を公開しています(厚生労働省)。ただし、その情報がどう伝わるかは、形式によって差が出ます。

03手順1|対面と比べて伝わりにくい情報を理解する

最初に、オンライン面接では何が伝わりにくくなるのかを理解しておきます。画面越しでは、表情の細かな変化や、姿勢・身振りといった非言語情報が、対面より読み取りにくくなります。

対面面接とオンライン面接、伝わりやすさが変わる情報の比較 表情・視線、声のトーンと間、資料の見せ方、場の空気感という4つの観点で、対面面接とオンライン面接で伝わりやすさがどう変わるかを対比した表。 対面とオンライン、伝わりやすさの違い オンラインでは非言語の情報が伝わりにくくなります 観点 対面 オンライン 表情・視線 細かな変化まで伝わりやすい 画面越しで読み取りにくい 声のトーン・間 自然な間で会話しやすい 遅延で発言が重なりやすい 資料の見せ方 その場で指しながら説明できる 共有のタイミングを決めておく必要 場の空気感 表情や姿勢から感じ取りやすい 言葉で確認しないと分かりにくい 評価基準そのものは対面・オンラインで変わりません(一般的な傾向の整理)
対面面接とオンライン面接、伝わりやすさが変わる情報の比較

音声にもわずかな遅延が生じることがあり、発言のタイミングが重なりやすくなります。相手が話し終えたと思って話し始めたら、実は相手も話し続けていたということが起こりやすいのが、オンライン特有の難しさです。

04手順2|話し方で非言語情報の不足を補う

伝わりにくい情報を補うために、話し方そのものを調整します。対面より少しゆっくり、区切りを意識して話すと、聞き手が内容を追いやすくなります。

相槌やうなずきも、対面よりやや大きめに示すことを意識してください。画面越しでは細かな動きが伝わりにくいため、聞いていることが相手に伝わりやすいよう、反応をわずかに強調する形になります。

発言する前に一呼吸置く習慣も有効です。相手の発言が終わったかどうかの判断に、通信環境による遅延が影響することがあるため、少し間を置いてから話し始めると、発言の重なりを減らせます。

05手順3|資料を見せるタイミングを事前に決めておく

ポートフォリオや資料を画面共有する場合、いつ、どの資料を見せるかを、面接前にあらかじめ決めておいてください。話の途中で資料を探す時間が生じると、その間、聞き手に伝わる情報がほとんど無い空白の時間になってしまいます。

資料を切り替える前には、これから何を見せるかを一言添えてから画面を切り替えると、聞き手が状況を把握しやすくなります。資料の内容そのものの作り方は、ポートフォリオを扱った記事で詳しく紹介しています。

具体的にどう言葉にすればいいか迷う場合は、次の実演台本を目安にしてください。以下は一例であり、この通りに一字一句話す必要はありません。

「ここで、実際に手がけた施策の資料を画面共有させていただきます。少々お待ちください」 (画面共有ボタンを押し、共有する資料を選択する) 「共有できていますでしょうか。見えているようでしたら教えてください」 (相手の返答を待ってから、資料の説明を始める) 「こちらが、SEO記事の構成を見直した際の資料です。まず結論からお話しします」

別の資料に切り替える場面でも、同じように一言添えてから操作すると、聞き手が状況を把握しやすくなります。

「次に、別の案件の資料に切り替えます。少々お待ちください」 (共有中の資料を閉じ、次の資料を選び直してから、再度共有する) 「切り替えが完了しました。こちらは広告文を見直した案件の資料です」

台本を丸暗記する必要はありません。「操作の前に一言添え、操作の後に見えているか確認する」という型だけを覚えておけば、当日はその場の言葉で対応できます。

06手順4|間や沈黙への対応を準備する

オンライン面接では、通信の乱れや接続の不安定さによって、意図しない沈黙が生じることがあります。沈黙が生じたときにあわてず、聞こえているかを一言確認する対応をあらかじめ想定しておいてください。

オンライン面接でつまずきやすい場面と、その補い方の対応表 発言の重なり、資料共有時の間、聞き取れない場面、相手の反応が見えない場面という4つのつまずきに対して、それぞれの補い方を対応させた図。 つまずきやすい場面と、その補い方 起きやすい場面に対して、あらかじめ対応を決めておきます 発言のタイミングが重なる 一呼吸置いてから話し始める 資料を探す間に沈黙が続く 見せる順番を事前に決めておく 聞き取れず分かったふりをする 遠慮せず聞き返す 相手の反応が見えない 逆質問で懸念点を直接確認する 左:つまずきやすい場面 右:補い方
オンライン面接でつまずきやすい場面と、その補い方の対応表

質問の意図がうまく聞き取れなかった場合も、聞き返すことを恐れないでください。オンラインでは聞き取りにくさが一定の頻度で起きるため、聞き返すこと自体は不自然な行動ではありません。

通信トラブルは、起きた場面によって適切な一言が変わります。次の4パターンを目安にしておくと、当日あわてずに対応できます。

音声が聞こえなくなったとき:「すみません、今、声が聞こえなくなりました。聞こえていますでしょうか」 映像が固まったとき:「映像が固まってしまったようです。一度カメラをオフにして、音声だけで続けてもよろしいでしょうか」 声が途切れ途切れのとき:「電波の状況で声が途切れているようです。今おっしゃった内容を、もう一度お願いできますでしょうか」 接続が切れて再接続したとき:「先ほど接続が切れてしまい、失礼しました。ここまでお話しした内容から、続けてもよろしいでしょうか」

どの場面でも共通するのは、状況を正直に伝え、相手に負担の少ない形で確認を求めることです。聞こえたふりをしてやり過ごすより、正直に伝えたほうが、結果として印象を損ないにくくなります。

07手順5|逆質問で「見えない反応」を言葉で確認する

対面であれば、面接官の表情や場の空気から、話の受け止められ方をある程度感じ取れます。オンラインではこれが難しいため、逆質問の場面で、意識的に確認する質問を用意しておくと安心です。

面接前・面接中・面接後、オンライン面接の準備の時間軸 面接前は環境と資料の準備、面接中は話し方の調整、面接後は振り返りという、オンライン面接に向けた時間軸ごとの準備内容を示す図解。 オンライン面接、準備の時間軸 面接前・面接中・面接後で、意識することが変わります 面接前 面接中 面接後 通信・場所を 確認する 見せる資料と 順番を決める 逆質問を用意する ゆっくり・区切って 話す 相槌をやや 大きめに示す 聞き取れなければ 聞き返す 通信トラブルが あればお詫びの 一言を送る うまく話せた点・ 改善点をメモに 残す 通信トラブルへのお詫びは、選考への影響を防ぐという意味でも有効です
面接前・面接中・面接後、オンライン面接の準備の時間軸

たとえば、ここまでの話で懸念点があるかを直接尋ねる、といった質問です。表面的な逆質問を並べるより、こうした確認の質問を1つ用意しておくほうが、オンラインという形式の弱点を補う準備になります。

08つまずきポイント(失敗例つき)

オンライン面接の準備で繰り返し見られるつまずき方があります。

1つ目は、対面のときと同じ話し方のまま臨んでしまい、非言語情報の不足を補う工夫をしないことです。表情や身振りが伝わりにくい分、言葉での説明をやや丁寧にする意識が必要です。

2つ目は、資料をその場で探しながら話してしまい、聞き手を待たせる時間が発生することです。見せる資料と、見せる順番は、面接前に決めておくことをおすすめします。

3つ目は、通信の乱れで聞き取れなかった部分を、分かったふりでやり過ごしてしまうことです。聞き返さずに答えると、質問の意図とずれた回答になり、かえって印象を下げる場合があります。

4つ目は、発言のタイミングを譲り合いすぎて、沈黙が続いてしまうことです。一呼吸置いて話し始める準備をしておくと、相手の発言と重なる不安を減らせます。

09完了の確認方法(できたかどうかの判断基準)

準備ができたかどうかは、次の3点で確認できます。1つ目は、見せる資料と見せる順番を事前に決めていることです。2つ目は、聞き取れなかったときに聞き返す対応を、あらかじめ想定していることです。

3つ目は、逆質問の中に、相手の反応を言葉で確認する質問を1つ用意していることです。この3点をクリアしたら、通信環境や静かな場所の確保など、当日の環境面の準備もあわせて確認してください。

当日までに確認しておきたい項目を、チェックリストとしてまとめます。手順1から手順5の内容を、直前確認用に並べ直したものです。

  • 通信環境(有線接続か、Wi-Fiの電波強度)を事前に確認した
  • 使用するツールを事前にインストールし、テスト接続を済ませた
  • マイク・カメラの映り方と聞こえ方を、実際に画面へ映して確認した
  • 静かに話せる場所と、顔がはっきり見える照明を確保した
  • 画面共有する資料を、見せる順番どおりに並べておいた
  • 通信が切れた場合の代替手段(電話番号など)を、応募先に確認した
  • 聞き取れなかったときに使う確認の言い回しを、あらかじめ決めておいた
  • 逆質問を1つ以上、あらかじめ言葉にして用意した

WEBMARKS社内には、オンライン面接と対面面接の通過率を比較した集計はありません。この記事で示せるのは、伝わり方の違いを理解し、補う工夫までです。

10FAQ

オンライン面接は対面より不利ですか

一概には言えません。伝わりにくい情報がある一方、移動時間がかからないなど、オンラインならではの利点もあります。この記事で扱っているのは、オンラインという形式の特性を理解し、補う工夫です。

会議ツールは何を使えばいいですか

この記事では特定のツールの機能比較や優劣は扱いません。応募先から指定されたツールを、事前に問題なく使えるかどうかを確認しておくことをおすすめします。

通信トラブルが起きたらどうすればいいですか

いったん落ち着いて、聞こえているか、見えているかを相手に確認してください。改善しない場合は、電話への切り替えなど代替手段を、事前に応募先へ確認しておくと安心です。

トラブルの種類と、そのときに使える一言の対応をまとめると、次のようになります。

トラブルの種類そのときの一言
音声が聞こえない「聞こえていますでしょうか」と確認する
映像が固まった「カメラをオフにして、音声だけで続けてよいか」を尋ねる
声が途切れる「もう一度お願いできますか」と聞き返す
接続が切れて再接続した「ここまでの内容から続けてよいか」を確認する

この表は、手順4で紹介した実際の言い回しを、場面別に見返せるよう整理したものです。当日、頭が真っ白になったときの目安として使ってください。

資料を画面共有する操作は、事前にどう練習すればいいですか

家族や友人に協力してもらい、実際にオンラインで接続した状態で、手順3の台本どおりに資料を共有する練習をしておくと安心です。1人で練習する場合は、通話アプリの録画機能などを使い、共有までの操作と話す間合いを自分で見返す方法もあります。操作に慣れておくほど、本番で言葉に詰まる場面が減ります。

オンライン面接ならではの服装や背景の注意点はありますか

画面越しでも、対面と同じ程度の身だしなみを整えることが基本です。背景については、話の内容に集中してもらえるよう、なるべく整理された環境を選ぶことをおすすめします。

この対策をすれば通過できますか

いいえ、通過を保証するものではありません。WEBMARKSの転職支援を継続的に利用した人を対象にした集計でも、内定率は約9割(90.9%)にとどまっています。対象は2025年に活動を完了した約50名です。

オンライン面接での逆質問はどう準備すればいいですか

求人・企業情報を踏まえた具体的な質問に加えて、ここまでの話で懸念点があるかを尋ねる質問を1つ用意しておくと、オンラインで感じ取りにくい反応を言葉で確認できます。より広い転職準備の全体像は姉妹メディアのいきかた図鑑でも扱っていますが、この記事はオンライン面接に絞った内容です。