01結論(判断の軸)
在職中の面接日程は、①有給休暇の使い方、②オンライン面接の活用、③企業側との日程交渉、の3つを組み合わせて確保します。どれか1つに頼るのではなく、状況に応じて使い分ける発想が現実的です。
先に立場を明確にしておきます。この記事は、勤務先に虚偽の理由を伝えて休みを取る方法を勧めません。有給休暇は法律で認められた権利であり、多くの場合、取得の理由を詳しく説明する必要はないとされています。理由を偽らなくても、日程を確保する選択肢は複数あります。
転職準備全体の中で、面接日程の確保は書類選考が通ったあとに直面する実務的な壁です。準備の全体像は『未経験からWebマーケターへ転職する準備、何をどの順で揃えるか』で整理しています。面接で聞かれる内容そのものへの準備は『Webマーケター転職の面接、聞かれる質問への回答の組み立て方』で扱っています。
02比較対象の整理(表)
在職中に面接日程を確保する手段は、大きく4つに分けられます。それぞれ、確保のしやすさと、職場にどこまで事情を開示するかのバランスが異なります。
| 手段 | 確保しやすさ | 職場への影響 | 適した場面 |
|---|---|---|---|
| 有給休暇(終日) | 取得できれば確実 | 理由の開示は一般に不要とされる(詳細は本文参照) | 対面での最終面接など、時間に余裕が要る場面 |
| 半休・時間単位の休暇 | 制度がある職場に限られる | 終日休暇より目立ちにくい | 1〜2時間で終わる面接 |
| オンライン面接の活用 | 企業側の対応状況による | 休暇そのものを使わずに済む場合がある | 一次・二次面接など初期の選考 |
| 面接日程の交渉 | 企業側の柔軟さによる | 特になし | 早朝・夜間枠や休日面談の相談 |
表のとおり、どの手段にも一長一短があります。次の項では、それぞれをどう判断して選ぶかを具体的に見ていきます。
03判断基準①休暇取得に理由の開示が必要かを確認する
多くの会社では、有給休暇を取得する際に、理由の詳細な説明を求められないとされています。就業規則に休暇申請の記載があれば、まずそこを確認してください。
理由欄に「私用のため」とだけ書くことは、一般的に広く行われている書き方です。これは嘘をついているわけではなく、休暇の目的を詳しく開示する義務が無いことを前提にした書き方です。
一方で、実際には行っていない通院や家族の用事を理由として偽って伝えることは、この記事では勧めません。虚偽の理由は、後から状況が食い違ったときに、職場との信頼関係を損なうリスクがあります。
04判断基準②時間単位・半日単位の休暇制度があるか確認する
年次有給休暇には、企業によって時間単位や半日単位で取得できる制度が用意されている場合があります。制度の有無や条件は労使協定によって決まり、全ての職場にあるとは限りません。
制度があれば、終日の休暇を使わずに、1〜2時間の面接時間だけを確保できます。就業規則や社内規定、あるいは労務担当の部署に、制度の有無を確認してください。
制度が無い場合でも、始業前・終業後の時間帯や、昼休みの時間を使って面接ができないか、企業側に相談する余地はあります。相談自体は、事実を伝えているだけなので、遠慮する必要はありません。
05判断基準③オンライン面接に対応しているか確認する
在職中の転職活動で最も調整しやすいのは、オンライン面接に対応している企業です。移動時間が不要なため、休憩時間や始業前後の短い時間でも面接が成立する場合があります。
すべての企業がオンライン面接に対応しているとは限りません。選考の初期段階では対応していても、最終面接は対面のみという企業もあります。応募や日程調整の連絡時に、オンライン対応の可否を早めに確認しておくと、後の調整がしやすくなります。
06判断基準④企業側に日程の交渉を相談する
面接日程は、企業側から提示された候補日にそのまま合わせなければならないとは限りません。在職中であることを伝えたうえで、複数の候補日を相談する進め方は、選考の現場でも珍しくありません。
在職中であることを伝えるのは、事実を伝えているだけであり、隠す必要はありません。早朝や夜間の枠、休日の面談など、企業側が柔軟に対応できる場合もあります。相談してみないと分からない部分なので、聞いてみる価値はあります。
複数社の選考が同時に進んでいる場合、日程調整の負担はさらに増えます。それぞれの企業に事情を正直に伝えながら、無理のない範囲で調整する姿勢が基本になります。
日程の再調整を依頼するメール文例
提示された候補日での調整が難しいときの、実際の文例を示します。理由は「在職中のため」とだけ伝え、詳しい業務内容までは書かない形で十分です。
この度は面接の日程をご案内いただき、ありがとうございます。誠に恐縮ですが、ご提示いただきました候補日はいずれも現職の業務都合により調整が難しい状況です。大変勝手なお願いで恐縮ですが、平日の18時以降、または休日でのご調整は可能でしょうか。ご多忙のところ恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。
この文例のように、断る理由は簡潔に伝え、代わりに提示できる候補(曜日・時間帯)をセットで書くと、企業側も調整しやすくなります。候補を示さずに断るだけの返信は、調整の手間を相手に丸投げする形になるため避けてください。
07判断基準⑤虚偽の理由で休むリスクを理解する
仮病や架空の私用を理由に休みを取ることは、短期的には通りやすく見えるかもしれません。ただし、この記事ではこの方法を勧めません。
理由を偽った場合、後から予定が食い違ったり、周囲に見られたりすることで、事実と異なる説明をしていたことが明らかになる可能性があります。就業規則によっては、虚偽の申請が問題視される場合もあります。
有給休暇は理由を詳しく説明しなくても取得できるとされている制度です。理由を偽ることのリスクを負うより、この制度をそのまま使うほうが、結果として安全な進め方だと編集部は考えます。
08ケース別のおすすめ
- 少人数の職場で休暇の理由が目立ちやすい場合は、オンライン面接の活用を優先し、有給休暇の利用回数を減らす進め方が向いています。
- フレックスタイム制度がある場合は、勤務時間帯の調整で1〜2時間の面接枠を確保できないか、まず検討してください。
- 対面での最終面接など、まとまった時間が必要な場合は、有給休暇を1日確保し、理由欄には「私用のため」で足りるかを就業規則で確認してください。
- 複数社の選考が同時に進んでいる場合は、それぞれの企業に在職中であることを伝え、無理のない範囲で日程をまとめて相談することをおすすめします。
- 転職エージェントを利用している場合は、日程調整の交渉を代行してもらえないか、先に相談する方法もあります。
WEBMARKSの転職サポートでは、選考の初期段階でオンライン面接の希望を企業側へ早めに伝えるよう助言しています。日程の相談は選考が進んでからより、早い段階のほうが調整の余地が残りやすいためです。
09FAQ
有給休暇を取るとき、理由を詳しく話さないといけませんか
多くの場合、休暇の理由を詳しく説明する義務は無いとされています。「私用のため」といった記載で足りる職場が一般的です。不安な場合は、就業規則や労務担当の部署に確認してください。
仮病を使って休みを取ってもいいですか
この記事では勧めません。理由を偽ることは、後から状況が食い違った際に、職場との信頼関係を損なうリスクがあります。有給休暇は理由を詳しく説明しなくても取得できる制度として使うことをおすすめします。
オンライン面接だと選考で不利になりますか
一概には言えません。企業や選考の段階によって、オンライン面接をどう位置づけているかは異なります。対応の可否を事前に確認し、通信環境を整えて臨むことが基本になります。
転職エージェントを使うと日程調整を代わりにしてもらえますか
エージェントを利用している場合、企業との日程調整を代行してもらえることがあります。エージェントの使い分けについては『転職エージェントは1社集中と複数併用どちらが良いか』で扱っています。
面接日程の相談をすると、志望度が低いと思われませんか
在職中の事情を伝えたうえでの日程相談は、選考の現場でも一般的に行われています。相談すること自体が、志望度の低さと直結するとは限りません。
有給休暇が残り少ない場合はどうすればいいですか
オンライン面接の活用や、始業前後・休憩時間の短い時間帯での面接を、企業側に相談してみることをおすすめします。すべての企業が対応できるとは限りませんが、相談してみる価値はあります。