01結論(判断の軸)
入社1年目のWebマーケターが、職種によって1日の時間の使い方や関わる相手がどう変わるかを具体的にイメージできるようになります。就職・転職で職種を選ぶときや、内定後に配属先の働き方を想像するときの判断材料として使えます。
なお、本記事で扱うのは施策の実行手順そのものではありません。SEOの内部対策や広告の入札設定といった具体的な作業のやり方は、施策専門の情報源が扱う領域です。ここでは「何にどれだけの時間を使い、誰とやり取りするか」という働き方の側面に絞って整理します。
1日の流れを事前に知っておく意味は、求人票や職種紹介だけでは伝わりにくい情報を補うことにあります。同じ「Webマーケター」という肩書きでも、実際に何にどれだけの時間を使うかは職種によって大きく異なります。
本記事では、朝・午前・午後前半・午後後半という4つの時間帯に分けて、職種ごとの違いを見ていきます。同じ時間帯でも、職種によって何に時間を使うかが大きく異なる点に注目してください。
02比較対象の整理、4つの職種と読み方の前提
比較する職種は、SEO担当・広告運用担当・コンテンツ制作/ディレクション・データ分析(Webアナリスト)の4つです。WEBMARKSの転職支援で内定した職種の集計でも、これらに近い区分が使われています(出典: WEBMARKS社内実績データ)。
対象読者は、就職・転職でWebマーケター職を検討している人や、内定後に配属先の働き方を具体的に知りたい人です。すでに副業やフリーランスで活動している人にとっても、クライアント先の担当者がどんな時間の使い方をしているかを知る材料になります。
ここで示す1日の流れは、あくまで一般的な例です。会社の規模や体制、事業会社か代理店かによって、実際の時間配分は変わります。特定の1社の実例ではなく、複数の傾向を組み合わせた模式的な例として読んでください。
03判断基準1、朝の時間の使い方で見る違い
朝の時間の使い方は、4つの職種で大きな差はありません。前日からのメールやチャットの確認、当日の予定確認から始まる点は共通しています。
違いが出るのはその後です。広告運用担当は、朝一番に広告の配信状況や消化金額を確認する時間を取ることが多くなります。夜間の配信結果を朝のうちに把握しておく必要があるためです。
SEO担当は、検索順位や流入数の変化を確認するところから始めることが多くなります。急激な変化がないかを毎朝チェックし、必要であればその日の対応方針を調整します。
コンテンツ制作・ディレクションとデータ分析は、朝のうちに大きな数値確認をする場面は比較的少なく、その日の会議や締切に向けた準備から始まる傾向があります。
04判断基準2、午前の集中作業時間で見る違い
午前は、4つの職種の違いが最もはっきり出やすい時間帯です。
SEO担当は、施策の企画や記事構成の検討など、まとまった思考が必要な作業に時間を使う傾向があります。広告運用担当は、配信設定の調整やクリエイティブの差し替えなど、数字を見ながら手を動かす作業が中心になります。
コンテンツ制作・ディレクションは、外部のライターやデザイナーとのやり取りに時間を取られやすい職種です。進行状況の確認や修正依頼のやり取りが、午前のうちから発生します。
データ分析は、前日までのデータを整理し、レポートの土台を作る作業に時間を使うことが多くなります。1年目のうちは、先輩が作ったフォーマットに沿ってデータを整理する役割から始まるケースが一般的です。
05判断基準3、午後前半の打ち合わせ量で見る違い
午後の早い時間帯は、社内外の打ち合わせが増える時間帯です。
代理店勤務の場合、クライアントとの定例会議がこの時間帯に集中しやすい傾向があります。1年目のうちは、打ち合わせの記録係や、先輩の説明を横で聞きながら議事録を取る役割を任されることが多くなります。
事業会社(インハウス)の場合は、社内の他部署(営業・開発・デザイン)との調整が中心になります。マーケティング部門だけで完結する仕事は少なく、他部署との橋渡し役を求められる場面が増えます。
職種で見ると、コンテンツ制作・ディレクションとデータ分析は、打ち合わせで自分の作った資料や記事案を説明する機会が比較的早い段階から回ってきます。SEO担当と広告運用担当は、まず先輩の打ち合わせに同席し、数字の読み方や説明の仕方を見て学ぶ期間が長くなる傾向があります。
06判断基準4、夕方の確認・共有で見る違い
夕方にかけては、その日の作業結果を整理し、翌日につなげる時間になります。
広告運用担当は、当日の配信結果を確認し、翌日の配信方針に反映させる作業を行います。SEO担当は、施策の進捗を記録し、次の対応が必要な項目を洗い出します。
コンテンツ制作・ディレクションは、外部パートナーからの成果物を確認し、修正依頼や納品確認のやり取りを行う時間になります。データ分析は、その日にまとめたデータをレポートの形に整え、翌日の共有に備えます。
どの職種も共通しているのは、実際に手を動かす時間と同じくらい、社内外への共有・報告に時間を使う点です。1年目のうちは、この報告や共有の仕方そのものに慣れていく期間だと捉えておくと、ギャップを感じにくくなります。
07判断基準5、想像と実際のギャップに注意する
入社後の働き方について、想像と実際のあいだによく見られるギャップのパターンがいくつかあります。
多いのが、「SEOやコンテンツ制作は一人でじっくり作業する仕事」という想像とのギャップです。実際には、打ち合わせやディレクションに関わる時間も多く、一人で完結する作業ばかりではありません。
「広告運用は数字を見ているだけの仕事」という想像も、よくあるギャップの一つです。実際には、数字の変化をクライアントや社内にどう説明するかという、対人的なやり取りに時間を使う場面が多くなります。
「データ分析は分析だけをしていればいい」という想像も同様です。1年目のうちは、分析そのものより、データを整理してレポートの形に整える作業に多くの時間がかかる傾向があります。
これらのギャップは、職種の名前から連想するイメージと、実際に発生する業務内容や関わる人の多さとのズレから生まれています。事前に「誰とやり取りする時間が多いか」を知っておくと、入社後のギャップを小さくできます。
08ケース別のおすすめ
ここまでの内容を踏まえ、自分に合う職種を考えるときの確認ポイントを整理します。
一人で集中して考える時間を大切にしたい人は、SEO担当やデータ分析のように、企画やデータ整理に一定のまとまった時間を使う職種が向いている可能性があります。逆に、人とのやり取りが多い方が力を発揮しやすい人は、コンテンツ制作・ディレクションのように、外部パートナーとの調整が日常的に発生する職種が合っていることがあります。
数字の変化に素早く対応することにやりがいを感じる人は、広告運用担当のように、日々の数字を確認して即座に調整する働き方が向いていることがあります。どの職種が合うかは、単純な得意不得意だけでなく、誰とどれだけやり取りしたいかという好みによっても変わります。
これらはあくまで一般的な傾向であり、実際の業務内容は会社ごとに異なります。配属前の面談や、内定後の質問の機会があれば、1日の時間の使い方について具体的に確認しておくことをおすすめします。
職種そのものの役割分担を先に整理したい場合は『SEO・広告・コンテンツの役割分担、Webマーケターの職種地図』が参考になります。進路の選び方を先に確認したい場合は『Webマーケターになる3つの進路、副業・転職・独立をどう選ぶか』で、副業・転職・独立を3つの軸で比較しています。
転職準備の具体的な進め方は『未経験からWebマーケターへ転職する準備、何をどの順で揃えるか』で扱っています。
09FAQ
入社1年目は残業が多いですか
職種や会社によって差が大きく、社内データからの断定はできません。繁忙期には対応が集中する時期もありますが、常に特定の職種だけ残業が多いと言い切れる集計はありません。
未経験でもいきなりクライアント対応を任されますか
1年目のうちは、先輩の打ち合わせに同席しながら学ぶ期間を経てから、少しずつ任される範囲が広がる傾向があります。最初から一人でクライアント対応を任されるケースは多くありません。
どの職種が一番忙しいですか
職種ごとの忙しさを直接比較したデータは社内にありません。忙しさの種類(打ち合わせが多い、数字確認に追われる等)が職種によって異なる、という違いとして理解してください。
事業会社と代理店で1日の流れは大きく変わりますか
変わります。代理店はクライアントとの定例会議が多くなりやすく、事業会社は社内の他部署との調整が中心になりやすい傾向があります。詳しくは『インハウスとエージェンシー、Webマーケターが働く環境の違い』で扱っています。
複数の職種を兼任することはありますか
あります。特に少人数の事業会社では、SEOと広告運用を一人で兼任するケースも見られます。この記事では、役割が分かれている場合を前提に、それぞれの時間の使い方を整理しています。
在宅勤務の場合も1日の流れは同じですか
基本的な時間の使い方の傾向は大きく変わりませんが、雑談を含む立ち話のような偶発的なやり取りは減りやすくなります。チャットやオンライン会議での明示的な共有が、より重要になる傾向があります。
この記事の内容は副業やフリーランスにも当てはまりますか
副業やフリーランスは案件ごとに関わる範囲が限定されるため、この記事で扱う「入社1年目」の流れとは前提が異なります。クライアントとのやり取りの傾向を知る参考程度に読んでいただくのが適切です。
職種を決められないまま就職活動を進めても大丈夫ですか
大丈夫です。求人票の職種名だけで判断せず、面接や説明会で1日の業務の流れや関わる相手について質問すると、入社後のギャップを減らしやすくなります。
Webマーケター1年目の学習と実務のバランスはどう変わりますか
学習と実務の比重は、入社後の時間が経つにつれて実務側の比重が増えていく傾向があります。1年目のうちは、先輩の作業を見ながら学ぶ時間と、実際に手を動かす時間が半々に近い状態から始まることが多くなります。