01この記事でできるようになること
この記事を読むと、すでに副業Webマーケターとして稼働している状態から、稼働時間を伸ばすかどうかを判断し、伸ばす場合にどう進めるかが分かります。時間の作り方の基本は扱いません。まだ副業の時間を確保できていない場合は『本業と両立しながらWebマーケター副業の時間を作る具体的な方法』を先に確認してください。
先に断っておきます。稼働時間を伸ばすことは、必ずしも正解ではありません。本業や健康を損なうところまで増やす判断は、この記事ではすすめません。増やさないという選択肢も、増やす選択肢と同じ重みで扱います。
02前提(対象読者・必要な準備)
対象読者は、すでに副業Webマーケターとして一定の時間で稼働しており、稼働時間そのものを伸ばすかどうかを検討している人です。案件数を増やすか単価を上げるかという判断がまだの場合は、そちらを先に整理しておくと、稼働時間を伸ばす必要があるかどうかが見えやすくなります。
準備するものは、直近2〜4週間分の稼働記録です。何日、何時から何時まで稼働したか、その週の睡眠時間や体調、本業のパフォーマンスに変化が無かったかをあわせて記録しておいてください。記録が無い場合は、この記事の手順1から始めてください。
03手順1|直近の稼働時間を記録し、余力の有無を確認する
まず、直近2〜4週間の実際の稼働時間を記録します。予定していた時間ではなく、実際に稼働した時間を記録してください。予定と実績がずれている場合、そのずれ自体が余力の有無を示すサインになります。
記録と同時に、睡眠時間、本業でのミスや遅れの有無、体調の変化も書き添えておきます。これらは、稼働時間を伸ばしてよいかどうかを判断するための材料になります。
すでに睡眠時間を削っている、本業でのミスが増えている、といった兆候がある場合は、この時点で稼働時間を伸ばす判断を保留してください。今の稼働時間を維持する、あるいは減らすことも、有効な選択です。
04手順2|「増やしてよい時間」と「増やしてはいけない時間」を線引きする
稼働時間を伸ばす候補になるのは、これまで使っていなかった隙間時間や、他のことに使っていた時間の見直しで生まれる時間です。睡眠時間、家族と過ごす時間、休息にあてていた時間を削って作る時間は、候補に含めないでください。
副業が雇用契約ではなく業務委託の形である場合、労働基準法の労働時間規制の対象にはなりません。つまり、稼働時間の上限を外部が決めてくれるわけではなく、自分で線を引く必要があります。副業・兼業に関する国の考え方は、厚生労働省が公式サイトで公開しています。健康管理の視点も含めて確認しておくと、線引きの参考になります。
線引きの基準は人によって異なりますが、睡眠時間を削らないこと、本業のパフォーマンスに影響を出さないことの2点は、多くの人に共通する最低限のラインです。この2点のどちらかを削ってまで稼働時間を伸ばす判断は、この記事ではすすめません。
05手順3|増やす場合は、小さく試してから見直す
稼働時間を伸ばすと決めた場合も、一気に大きく増やすのではなく、週に数時間程度の小さな増加から始めてください。2〜3週間試したうえで、本業や体調への影響を確認してから、続けるかどうかを判断します。
試行期間中も、手順1と同じ記録を続けてください。増やした時間帯の集中度、本業への影響、体調の変化を見て、無理が出ていないかを確認します。
試した結果、本業や体調に影響が出ている場合は、増やした時間を元に戻してください。稼働時間を伸ばす判断は、一度決めたら固定するものではなく、状況に応じて戻せる前提で進めるものです。
稼働時間を戻すときの依頼元への伝え方(架空の例)
以下は架空の例です。実在の企業名・個人名ではありません。自分の状況に置き換えて使ってください。
パターン1|早めに事情を伝えて相談する(メール文面)
件名:稼働時間についてのご相談 ○○様 いつもお世話になっております。△△です。 先月からお願いしている稼働時間について、ご相談がございます。 本業との兼ね合いで、現在の時間帯を維持することが難しくなってまいりました。 つきましては、来月から稼働時間を調整させていただけますでしょうか。 ご迷惑をおかけしますが、対応できる範囲で引き続き貢献できればと考えております。
パターン2|対応可能な範囲を先に示す(チャットメッセージ)
○○さん、お疲れ様です。 直近の稼働時間について、少しご相談させてください。 来月以降、これまでより稼働できる時間が限られる見込みです。 優先して対応したい業務があれば、先に教えていただけますと助かります。
どちらの例も、減らす理由を詳細に説明するのではなく、対応できる範囲を先に示す構成になっています。理由を長く説明しようとすると、かえって言い訳めいた印象を与えることがあります。早めに伝えることで、依頼元も業務配分を調整する時間を確保しやすくなります。稼働時間を戻す連絡は、体調やパフォーマンスに影響が出てからではなく、兆候に気づいた時点で行うほうが、双方にとって負担が小さくなります。
戻す連絡を送るかどうかの目安は、次のうち1つでも当てはまるかどうかです。
- 直近1〜2週間の記録で、睡眠時間の減少が続いている
- 本業でのミスや対応漏れが増えている
- 依頼元への返信や進捗報告が遅れがちになっている
- 体調の変化(疲労感や集中力の低下)を自覚している
これらは手順1で記録した項目と同じものです。記録をつけていれば、感覚だけに頼らず、連絡のタイミングを客観的に判断できます。
戻す連絡をした結果、対応できる件数や業務範囲が変わることもあります。その場合の調整方法は、案件管理の見直しとあわせて手順4で扱います。事前に連絡しておけば、依頼元との関係を大きく損なわずに、稼働時間を無理のない水準へ戻せます。連絡を先延ばしにするほど、調整の選択肢は狭くなっていきます。
06手順4|増えた稼働時間に合わせて案件管理の体制を見直す
稼働時間が増えると、並行して対応する案件数も増えやすくなります。複数の依頼元とのやり取りを、これまでと同じ管理方法で回せるかを確認してください。管理方法の整え方は『副業Webマーケター、複数クライアントを並行管理する方法』で扱っています。
案件が増えたことで報告や連絡が遅れるようになった場合、それは稼働時間の増やしすぎを示すサインです。件数を増やすより、今の件数の質を保つほうを優先する判断も、この段階では現実的です。
07手順5|収入の変化を社会保険や税務の確認につなげる
稼働時間を伸ばして収入が増えると、社会保険の扱いに影響が出る場合があります。詳しい内容は『副業Webマーケター、社会保険と年金への影響はどう変わるか』で扱っています。稼働時間を伸ばす判断とあわせて、早めに確認しておくことをおすすめします。
税務上の扱いや確定申告が必要になる基準についても、収入が増える前提で早めに把握しておくと、後からの対応に慌てずに済みます。個別の判断は、専門家や所轄の窓口に確認してください。
08つまずきポイント(失敗例つき)
稼働時間を伸ばす場面で、実際によくあるつまずきを整理します。
1つ目は、睡眠時間を削って稼働時間を作ってしまう型です。短期的には稼働時間が増えても、体調やパフォーマンスの低下という形で、後から代償が出やすくなります。
2つ目は、本業のパフォーマンスの変化に気づかないまま、稼働時間を増やし続けてしまう型です。本業側からの評価が下がってから気づくケースは、取り返しがつきにくくなります。
3つ目は、最初から大きく増やしてしまい、数週間で息切れして稼働そのものが止まってしまう型です。小さく試してから見直す手順を飛ばすと、この失敗が起きやすくなります。
4つ目は、増やした時間を戻すという選択肢を最初から想定していない型です。増やす前提だけで計画すると、無理が出たときに引き返しにくくなります。
編集部が公開されている卒業生インタビュー記事35本(全128本のうち)を読んだところ、副業と本業の両立で時間確保に触れた記述は10本でした。このうち1本は、時差についてそこまで大変ではなかったと語っていました。両立の負担は人によって幅があり、無理なく増やせる人もいれば、そうでない人もいるということがうかがえます。
09完了の確認方法(できたかどうかの判断基準)
稼働時間を伸ばす判断ができているかどうかは、直近の記録に、睡眠時間の減少や本業でのミスの増加といった兆候が出ていないかで確認できます。兆候が無ければ、今の稼働時間を維持しているとみなせます。
増やす判断をした場合は、試行期間を経て、本業や体調への影響が出ていないかを確認したうえで、続けるか戻すかを決められている状態が完了の目安です。影響が出ている場合に、戻す判断ができているかどうかも、あわせて確認してください。
WEBMARKSの卒業生データでは、案件獲得者の8割が在宅ワーク対応の案件を得ています。対象は2020年から2025年の卒業生データで、フルリモートまたはリモート可に該当する件数は31/38件です(出典: WEBMARKS社内実績集計)。在宅で完結する案件が多いことは、通勤時間を使わずに稼働時間を確保しやすい一因になっていると考えられます。
稼働時間を伸ばすかどうかの最終的な判断は、本業と健康を損なわない範囲であることが前提です。増やさないという判断も、この記事の手順を踏んだ結果として、十分に正しい選択です。
10FAQ
稼働時間はどれくらいまで増やしても大丈夫ですか
一律の基準はありません。本業のパフォーマンスと睡眠時間に影響が出ていないかを、自分の記録で確認しながら判断してください。
業務委託の副業には、労働時間の上限規制はありますか
雇用契約ではなく業務委託の形であれば、労働基準法の労働時間規制の対象にはなりません。自分で上限を決める必要があるという前提で読んでください。
稼働時間を増やさない場合、収入を伸ばす方法はありますか
あります。案件数を増やす以外に、単価を上げる方向もあります。単価交渉の実額データは『Webマーケターの単価交渉、実額の目安と自分で記録する方法』で確認できます。
一度増やした稼働時間を減らすと、依頼元に迷惑をかけませんか
稼働時間を戻す場合は、早めに依頼元へ伝え、対応できる範囲を正直に共有することをおすすめします。無理をして質が落ちるより、早めの調整のほうが信頼を保ちやすくなります。
体調を崩してから気づくのでは遅くないですか
そのとおりです。だからこそ、体調を崩す前の段階で、睡眠時間や本業のミスの変化を記録し、兆候の時点で気づけるようにしておくことをすすめています。
家族には、稼働時間を伸ばすことをどう伝えればいいですか
増やす時間帯と、増やさない時間帯(睡眠・家族の時間)を明確に分けて伝えると、理解を得やすくなります。時間帯を事前に共有しておく考え方は、副業を始める段階でも役立ちます。