01結論(3行)
月10万円台から30万円台へ収入を伸ばす道筋は、単価を上げる・案件数を増やす・継続契約にするという3つのレバーの組み合わせです。 どのレバーを先に動かすかは、実績の有無や確保できる時間によって変わります。到達までの期間や結果を保証するものではありません。 この記事では3つのレバーの中身と、自社データから読み取れる範囲を整理し、判断材料として使えるようにします。
02月10万円から30万円まで、何を動かすと数字が変わるか(3つのレバーの全体像)
副業でWebマーケターとして月10万円台の収入を得られるようになった後、多くの人が次に直面するのが「そこからどう伸ばすか」という問いです。伸び方は一様ではなく、複数の要因が組み合わさって収入が変化します。
収入をおおまかに分解すると、単価×案件数という掛け算に、契約形態という変数が加わります。単価を上げる、案件数を増やす、単発契約を継続契約に切り替える、この3つが主なレバーです。
3つのレバーは独立して動かせますが、実際には組み合わせて使う人が多い傾向にあります。単価を上げながら継続契約に切り替える、案件数を増やしながら一部を継続化する、といった動き方です。
どのレバーを先に動かすかは、実績の有無によっても変わります。実績がまだ少ない段階では案件数を増やして経験を積む動きが先行しやすく、実績が十分にあれば単価交渉や継続化を先に検討しやすくなります。
WEBMARKSの集計では、案件獲得に成功した受講生のうち、月収30万円以上に達した人が過半数を占めます。対象は2023年卒業後3か月以上経過した受講生200名です(出典: 卒業後3か月以上経過した受講生200名を対象にした調査)。
この数字は、月10万円から30万円への到達を保証するものではありません。案件獲得に成功した人を対象にした集計値として読んでください。
もう一つの手がかりが、案件数に関するデータです。WEBMARKSの集計では、案件獲得者の70%以上が2案件以上を獲得しています。対象期間は2020年から2025年です(出典: 案件獲得データの集計)。
複数の案件を並行して抱える人が多数派であることは、単価を上げるより先に案件数を増やす動き方が現実的な選択肢になり得ることを示しています。ただし、この数字も個々の到達時期を示すものではありません。
03レバー①単価を上げる、値上げ交渉のタイミングと考え方
単価を上げる動き方は、既にクライアントとの関係がある場合に着手しやすいレバーです。新規開拓の手間をかけずに、月あたりの収入を底上げできる点が特徴です。
WEBMARKSの集計では、副業案件の時給が判明している事例の平均は2,207円です。対象は時給が判明している14件で、2020年から2025年のデータです(出典: 卒業生データ集計)。
この数字は母数が14件と小さく、業界全体の相場を示すものではありません。あくまで社内で時給が確認できた事例の平均として参考にしてください。単価相場の全体像は『Webマーケターの単価相場、副業とフリーランスの実額データ』でまとめています。
単価を上げるタイミングは、契約更新の前後や、業務範囲が当初より広がったタイミングに訪れやすいといわれます。値上げ交渉の具体的なタイミングと切り出し方は、別の記事で詳しく扱います。
急に大幅な値上げを提案するより、担当している業務の変化や成果を材料に、段階的に交渉する進め方が実務では取られやすい傾向にあります。合意が得られなかった場合にどう動くかも、あらかじめ準備しておく必要があります。
レバー①の実行例(架空の例)
SEO記事の執筆を月8本納品しているケースを、架空の例として考えます。契約から半年が経過し、当初の記事構成案の作成に加えて、キーワード選定や競合分析まで対応範囲が広がっていました。契約更新のタイミングで、増えた対応範囲を材料に単価の見直しを打診したところ、更新後の単価が引き上げられた、という想定です。実際の切り出し方や文例は『副業Webマーケター、初回単価から値上げ交渉するタイミング』で扱っています。
04レバー②案件数を増やす、複数クライアントを同時に回す
単価を上げにくい状況であれば、案件数を増やす方が現実的な場合があります。特に実績を積み上げている段階では、複数の小さな案件を並行してこなす動き方が収入の底上げにつながります。
複数クライアントを同時に抱えると、進捗管理や連絡対応の負荷が増えます。1社ごとの対応時間を確保できるかどうかを、案件数を増やす前に確認してください。
複数クライアントを並行管理する具体的な方法は『副業Webマーケター、複数クライアントを並行管理する方法』で扱っています。時間配分の工夫や連絡ルールの決め方を、そちらで詳しく確認できます。
案件数を増やす動き方には、1社への依存度を下げられる利点もあります。契約が終了した案件があっても、他のクライアントとの取引が残るため、収入の急な落ち込みを避けやすくなります。
ただし、どのクライアントを優先して増やすかは考える必要があります。単価や業務内容の相性が良いクライアントを軸に増やす方が、後から単価交渉や継続化にもつなげやすくなります。
レバー②の実行例(架空の例)
既存クライアント1社(架空)からの依頼で月10万円相当の収入があった状態から、同時並行で対応できる小規模案件を1〜2件追加する動き方を考えます。進捗管理をスプレッドシートで一元化し、対応する曜日を案件ごとに固定したことで、稼働の混乱を避けられた、という想定です。並行管理の具体的な方法は、本記事の前段で紹介した別記事で確認できます。
05レバー③単発から継続契約へ移行し、収入を安定させる
単発の案件は、都度の受注活動が必要になるため、収入が波打ちやすい形態です。継続契約に切り替えられると、毎月の見込み収入が立てやすくなります。
継続契約への移行は、単発案件で実績と信頼を積んだ後に持ちかける流れが一般的です。納品の質とやり取りの丁寧さが、継続を打診されるかどうかを左右します。
継続的な業務委託契約には、単発の契約とは異なるルールが関わる場合があります。フリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、一定期間以上続く業務委託を対象とする法律です。この法律により、契約を打ち切る際の対応に関する規定が設けられています(参考: 公正取引委員会)。具体的な適用条件や期間は、公正取引委員会の公式情報でご確認ください。
単発案件と継続案件のどちらから動き始めるべきかという論点は、別の記事で扱います。この記事では、継続化を「収入を安定させる選択肢の1つ」として位置づけるにとどめます。
継続契約に移行できたとしても、その1社に依存しすぎるとリスクが残ります。継続契約を軸にしつつ、単発案件も並行して受けるバランスを意識する人も少なくありません。
レバー③の実行例(架空の例)
単発で受けた3か月間の広告運用代行案件(架空)で、毎月のレポートに加えて改善提案を添えて納品を続けたケースを考えます。3か月目の納品時に、蓄積した成果をまとめて継続提案を行ったところ、月額契約への切り替えが実現した、という想定です。提案文の組み立て方や断られた場合の対応は『副業Webマーケター、単発案件を継続契約へ切り替える提案の仕方』で扱っています。
063つのレバーを組み合わせるときの時間管理と本業との両立
3つのレバーは同時に動かせますが、本業がある状態では使える時間に上限があります。無理に3つを同時進行させると、納期遅れや対応の質の低下につながりかねません。
多くの場合、まず既存クライアントとの単価交渉や継続化を検討し、その後に新規開拓で案件数を増やすという順番が、無理のない進め方として語られます。ただし、これは一律の正解ではなく、案件の状況によって順番は変わります。
1週間のタイムテーブル例(架空の例)
3つのレバーを同時に動かす場合の時間配分について、平日に本業がある人を想定した架空の例を示します。
| 曜日 | 朝(本業前) | 夜(本業後) |
|---|---|---|
| 月 | メールチェック・進捗確認 | 既存案件の作業 |
| 火 | ― | 既存案件の作業 |
| 水 | メールチェック・進捗確認 | 新規開拓・提案文の作成 |
| 木 | ― | 既存案件の作業 |
| 金 | メールチェック・進捗確認 | 継続提案・単価交渉の準備 |
| 土 | まとまった作業時間(案件対応) | ― |
| 日 | 予備日・記録の整理 | ― |
平日は本業に支障が出ない範囲で作業時間を固定し、週末にまとまった時間を確保する組み方です。新規開拓や交渉準備など思考に集中力が必要な作業を、疲労が溜まりにくい曜日に配置している点がポイントです。この配分はあくまで一例であり、本業の繁忙期や案件の状況に応じて調整してください。
副業・兼業に関する国の考え方では、働きすぎによる健康への影響にも注意を促しています(参考: 厚生労働省)。収入を伸ばすことを優先するあまり、本業や生活に支障が出ていないかを、定期的に振り返ることをおすすめします。
本業との時間の作り方そのものは『本業と両立しながらWebマーケター副業の時間を作る具体的な方法』で扱っています。収入を伸ばす段階でも、時間の使い方の基本は変わりません。
収入が一定の水準を超えると、社会保険の被扶養者要件に影響する場合があります(参考: 日本年金機構)。副業Webマーケターの社会保険と年金への影響は『副業Webマーケター、社会保険と年金への影響はどう変わるか』で詳しく扱っています。
07つまずきやすい点
月10万円から30万円へ伸ばす過程で、共通して見られるつまずき方を整理します。
- 単価を上げず、案件数だけを増やして稼働時間の限界に達してしまう
- 継続契約を打診するタイミングを逃し、単発の受注を延々と繰り返してしまう
- 複数クライアントの対応が重なり、納期や連絡対応の質が落ちてしまう
- 本業との両立を崩してまで案件を詰め込み、体調やパフォーマンスが低下する
- 収入が増えたことに気づかず、確定申告や税務上の対応が後手に回る
- 1社の継続契約に依存しすぎて、契約終了時に収入が急に落ち込む
これらの多くは、3つのレバーのどれか1つだけに偏って動かした結果として起こります。単価・案件数・継続契約化のバランスを、定期的に見直す習慣が必要です。
08チェックリスト
月10万円から30万円へ伸ばす動きを始める前に、次の項目を確認してください。
- 現在の単価が、業務範囲や成果に見合っているかを確認した
- 値上げ交渉を打診できそうなクライアントと、そのタイミングを整理した
- 新規開拓に使える時間が、本業と生活を圧迫しない範囲にあるかを確認した
- 継続契約への移行を打診できそうなクライアントを洗い出した
- 複数クライアントの進捗と連絡を管理する方法を決めた
- 収入が増えた場合の確定申告や社会保険への影響を確認する予定を立てた
- 3つのレバーのうち、どれを優先するかを仮決めした
- 定期的に稼働状況とレバーのバランスを見直す予定を立てた
09FAQ
月10万円から30万円まで、どれくらいの期間で伸ばせますか
本業との両立状況や案件の状況によって差が大きく、本メディアでは特定の期間を断定しません。単価・案件数・継続契約化のどのレバーを動かせる状況かによっても変わります。
単価を上げるのと案件数を増やすのは、どちらを優先すべきですか
一律の答えはありません。既存クライアントとの関係が良好であれば単価交渉から、時間に余裕があれば案件数を増やす方向から検討する人が多い傾向にあります。
継続契約にすると、単価は下がりやすいですか
継続契約そのものが単価を下げる要因にはなりません。継続を前提に、双方が納得できる金額を最初に取り決めることが、その後の関係を左右します。
3つのレバーを全部同時に動かしても大丈夫ですか
本業がある状態では、時間の上限を超えて動かすと納期や対応の質が落ちるリスクがあります。まず1つか2つのレバーに絞って進める方が、無理なく続けやすい傾向にあります。
月収30万円に到達したら、副業ではなく独立を検討すべきですか
独立の判断は収入だけで決まるものではなく、資金計画や案件の継続性など複数の要素で検討する必要があります。独立の判断基準を扱った記事もあわせてご確認ください。
案件数を増やしすぎると、何が問題になりますか
対応できる時間を超えて案件を抱えると、納期遅れや連絡対応の質の低下につながります。本業との両立が崩れるほど案件を詰め込むことは避けた方が安全です。
平均時給2,207円は、目標にしてよい数字ですか
おすすめしません。この数字は時給が判明している14件だけの平均で、母数が小さい数字です。自分の業務内容や経験年数を踏まえて、目標は別途検討してください。
収入が増えたら、確定申告はどう変わりますか
所得の水準によって申告の要否や税額が変わります。個別の判断は税務署や税理士への確認をおすすめします。
継続契約への切り替えを断られたら、どうすればいいですか
断られても、その案件を単発として続けながら、他のクライアントとの継続化や案件数の拡大で収入を伸ばす道は残ります。1社の反応だけで方針をすべて変える必要はありません。